BAMBOO MAGAZINE

FEATURE
October 01, 2023

TAKANOMEの新たな革新
新ブランド「TAKANOME 火入れ」

──幻の酒と言われる「TAKANOME」が更なる高みへ

日本酒業界に一石を投じ、高級日本酒ブランドという新ジャンルを創出したことで知られている「TAKANOME」が、また新境地を拓く。

それが、「TAKANOME 火入れ」だ。

そもそも「TAKANOME」は、一本15,400円(税込)という高値にも関わらず、毎週水曜日の発売のたびに、たった5分で完売してしまうことから幻の酒と称されている。

SNSを中心とした口コミで評判が広がり、その味わいの良さと、ブランドのもつストーリー性もあいまって多くのファンを獲得している。

TAKANOMEの驚くべき躍進

カンヌ国際映画祭に提供

200名以上のセレブリティ、映画関係者や各国メディアにTAKANOMEを提供。

シャングリ・ラ東京との
コラボレーション企画

フォーブスジャパントラベルガイド2021にて最高ランク5つ星を獲得したシャングリ・ラ 東京監修による「TAKANOME Asian Bento Box」を限定販売。

徳川慶喜公屋敷跡 浮月楼

浮月楼が主催する日本の花見文化を祝う「花の宴」や、お月見を楽しむ「観月会」など、四季折々の行事に協賛。



2019年の発売以来その勢いはとどまらず、いまだに入手困難な状況だ。筆者も、毎週水曜日の販売時間に待機し、何度も挑戦した末に購入することができた。

味わいはむろん素晴らしく、フルーティで「パイナップルのよう」と言われる香りに酔いしれる瞬間はたまらないひと時だった。

東京・青山に店を構える人気店『鮨m』のソムリエ・木村好伸氏はTAKANOMEについて「香りがエキゾチックで思わず鼻が吸い込まれるような香りが特徴的。ノスタルジックな香りもしながら、口に含んだ時に、また違う香りが出てくるようなワクワクする期待感もある」と評している。

そんなTAKANOMEが創り上げた「TAKANOME 火入れ」を見逃すわけにはいかない。いったいどのような酒なのか、紐解いていきたい。


あらゆる表情を見せる「TAKANOME 火入れ」

まず、無濾過生原酒が特徴の「TAKANOME」に火入れをしたというから、驚きを隠せない。

その味わいが気になるところだが、パイナップルのようなほのかに南国フルーツを思わせる香りが、飲む前から感動を予感させるというから、TAKANOMEらしさを受け継いでいることに間違いはない。

公式サイトでは口に入れると優しいパイナップルのような甘味が口いっぱいに広がり、爽やかな酸味に心地よさを感じつつ、存在感あるアルコールが突然現れるとあり、口の中であらゆる変化を遂げ、飲むたびに新たな発見がありそうだ。

 



食と合わせた極上のマリアージュ体験を

酒と食の持つお互いの「味、風味、香り」などが、これ以上ない相性を示したとき、第3の味わいと呼ばれる奇跡的な味覚が生まれることを「マリアージュ」という。

「TAKANOME 火入れ」に合う料理を組み合わせることで、まるで魔法のように出会ったことのない美味しさが広がる。

「TAKANOME 火入れ」には、和牛ステーキや鴨のロースト、天ぷら、棒棒鶏などが合うようだ。ぜひ、合わせて楽しみたい。

ホームパーティなどで、友人とその味わいを評し合うのもまた、一興だろう。

大切な方への贈答品としても、この味わいが驚きと感動を与え、相手への大きな喜びに繋がるはずだ。


伝統と革新。常識を覆す酒の誕生

「TAKANOME」は、一切の加熱処理を行わない非常に繊細な酒だ。温度変化により、味わいが変わりやすく、それを美味しい状態で届けるため、造ったものをすぐに酒蔵から配送することにこだわり、一般流通ではなくインターネット限定で販売している。

そこに火入れをすれば、味を損なってしまう恐れもあるが、火入れの技術に、とことんこだわることでその心配は無用のものとなった。

TAKANOMEを絞ってから1週間ほど、味を落ち着かせて、瓶内火入れ(加熱殺菌)を行うが、大切なのはそのあと加熱後に急速に冷やすということ。

この工程で香味を損なうことなく、全体がまとまり、米の深み、心地の良い余韻ある甘味が引き出されるのだという。

伝統を守りながら革新をつづけることで、また新たなるうまさを生み出すことに成功した。

過去には数量限定で「TAKANOME 火入れ」の販売が行われており、そのクオリティの高さはSNSで広がりはじめている。
“もともとTAKANOMEを愛飲していたが、火入れの発売を知り、数量限定ながらなんとか手に入れることができた。 TAKANOMEの香り高いフレッシュさとは違い、落ち着いた味わいで、これもまたうまい。 冷蔵でなくても保存ができるため、贈答品としても扱いやすいと感じたので、これから機会があれば大切な人への贈り物の第一候補となりそう。"
"まず届いたときに、高級感のある化粧箱だけで、味わいへの期待値がかなり高くなりました。それでも、その期待を上回るほどの味の良さ。今回は「TAKANOME 火入れ」を牛肉ステーキに合わせてみたけど、確かに、奥行きのある味が楽しめた。天ぷらにも合うそうだから、ほかにもいろいろと合わせながら楽しみたいと思います。”

TAKANOME創業者 平野氏

火入れ開発の背景にある創業者の想い

このように新たな酒を生み出した背景には、創業者 平野氏の体験があった。

TAKANOMEは香港やシンガポール、ロサンゼルスなど、世界のあらゆる都市のトップレストランで提供されている。

ある日、その状況を見に香港に行った時に、味が少し劣化しているのを感じたという平野氏。保存方法がよくなかったのだろうと考え、TAKANOMEの良さを残したまま、高度な火入れをする新ブランドの開発に踏み切った。





その火入れの技術を確立したのは、はつもみぢ醸造責任者である阿部美恵氏だ。「我々の火入れは、 急速急冷にこだわっています。 急速に冷やすことで、 お酒の香味を損なうことなく 火入れを行うことができます」と語る。

TAKANOMEはこの火入れの技術により、パイナップルのような味わいから鋭くキレの良さがある味わいを生み出し、また劣化を最大限抑えられるようになった。これを機に、TAKANOMEは世界中へと、大きく羽ばたいていくにちがいない。

2023年10月より、 一般販売を開始。

現在、大きな注目を集めているため、事前登録での販売を実施している。

手間暇がかかったTAKANOMEにさらに手を加えてできあがる酒で、稀少価値が高いため、いち早く手に入れたいところだ。 筆者も、「TAKANOME 火入れ」 の味わいを探求したいと思う。